【与那国】任期満了に伴う8月6日投開票の町長選は同月1日告示され、4期目を目指す現職で自民党公認の外間守吉氏(67)=公明推薦=と、前町議会議長で保守系無所属新人の糸数健一氏(63)が立候補し、5日間の超短期決戦に突入する。革新側は、支持母体の与那国改革会議が擁立を断念しており、保守分裂選挙となることが確定的。一方、糸数氏の議員辞職に伴う町議補選には、糸数陣営から与那国防衛協会事務局長で新人の与那原繁氏(55)が出馬する。外間陣営が擁立を見送る方針を決めているため、与那原氏の無投票当選の公算が大きい。
今町長選は自衛隊配備後初。これまでは保革で争われてきたが、隊員らの転入に伴う“自衛隊票”が増えたため、島内の政治的なバランスが崩れ、従来の構図に大きな変化をもたらすことに。保守支持者には選択肢が増える一方、革新支持者にとっては極めて難しい選択を迫られることになる。自衛隊票と革新票の行方が勝敗に大きな影響を与えそうだ。
陸自駐屯地が建設されたため、自衛隊配備の是非は争点にはならず、外間氏の3期12年の町政運営が問われることになる。
外間氏は「町民の声を形に」と政策実現能力を強調、糸数氏は「公平公正」「現状を変える」と刷新を訴えている。
両陣営はこれまで地域懇談会や集会などで支持固めを図っており、外間陣営は21日に、糸数陣営は28日に、それぞれ総決起大会を開き、告示と同時にフル回転する態勢を構築してきた。
告示日は外間陣営が午前8時半から自宅隣の後援会事務所前で、糸数陣営も午前8時半から崎原倉庫前でそれぞれ出陣式を行い、両候補が第一声を放つ。
町選管によると、6月1日時点の有権者は1370人(男760人、女610人)。前回選挙(2013年8月11日)の1128人(569人、559人)から242人増えている。