県が品種改良に取り組み、今年3月に商標登録した果汁糖度19度以上を誇るパインアップル「サンドルチェ」(沖農P17)の販売促進活動が24日午後、JAファーマーズマーケットやえやま「ゆらてぃく市場」を会場に県内で初めて行われた。試食・販売コーナーには訪れた観光客や地元客からは「酸味が無くておいしい」と驚きの声が多く上がり、買い求める姿が目立った。沖縄独自のブランドパインを目指す県園芸振興課の担当者は「ブランド化を図る第一歩を八重山から始め、認知度による生産と消費の拡大を狙いたい」と期待した。
サンドルチェの今期出荷量は八重山から3800玉、本島北部地域で1200玉を予定。このうち石垣島では10生産農家が5月から随時、出荷している。
この日、会場の特設ブースでは約150玉を販売、試食者への食味アンケートも行った。地元や観光客を対象に年齢別の意見を聞き、今後のブランド戦略と販促活動に役立てる。
初めてサンドルチェを試食した屋嘉部綾子さん(59)=登野城=は「酸味がないことに驚いた。甘いパインが好きだが、通常の品種より値段が高いので手が出しづらい」と話した。
県園芸振興課は10年後には県内の作付面積を50㌶に拡大させ、約4㌧の収穫を見込んでおり、同課の兒玉博聖(ひろさと)主任は「来期も今期と同じ収量を目指している。数は少ないが、地元の方に認知してもらうことがイメージの向上につながる。他品種との差別化で首都圏などに売り込みたい」と意気込んだ。
同課による販促活動は25日午後1時まで行われている。