【西表】来年夏の世界自然登録に向けた「2017年度第1回西表島部会」が19日午後、中野わいわいホールで開催され、環境省から、国際自然保護連合(IUCN)の視察が8月以降、1~2週間の行程で調整されていることが報告された。出席者からは、視察の重点課題として、島内への愛玩動物の持ち込み規制や登録への機運醸成を求める声が相次いだ。希少野生生物の交通事故対策の強化、地域の主体的参加による保全活動の実施、適切なモニタリングの実施・情報の活用|などの課題も挙がった。
部会には29機関・団体の代表者ら34人が出席、行動計画の進捗(しんちょく)状況を確認したほか、今後の検討課題を共有した。西表島が登録された場合、観光客数が増大する可能性を踏まえ、持続可能な観光の実現に向けてエコツーリズムなどの適切なコントロール・ルールの策定を進めていくという認識で一致した。
NPO法人どうぶつたちの病院・沖縄の飯塚布有子獣医師は、ペット連れで観光している事例に触れ、「野生生物保護や感染症予防の点から、予防的な規制が必要では」と危惧。竹富観光協会の中神明さんは「たまに犬と一緒でも大丈夫ですかという電話もあるが、野生生物の住む地域なので、うちはお断りしている」と報告した。
竹富町は2008年に施行した改正ねこ飼養条例で、住民の飼い猫の登録を義務化、西表島内にネコを持ち込む場合はウイルス検査とワクチン接種、マイクロチップ装着を義務化している。町政策推進課は「あくまで住民票異動に伴うもの。観光客のペットなど一時的な場合には及ばない」として、持ち込み規制を検討する姿勢を示した。
登録の普及啓発活動では、周知が十分でないとして、同会事務局が発行する「西表島世界遺産だより」の配布方法の改善、住民参加型説明会の実施を要望する声もあった。