石垣市は、白水の原水調整池を当初計画通り5基建設することを盛り込んだ2017年度以降の第7次拡張事業(2035年度まで)を、公共事業の再評価を行う市公共事業評価監視委員会(我喜屋隆委員長、委員4人)に諮問した。市水道部はこれまで1号池(6万立法㍍)を整備。残りの4基については2007年の前回評価で、多額の財政負担や水道料金への影響があるとして見直しを求められていたが、直近5カ年で2回の断水が発生している状況を踏まえ、「残る4池の建設を確実に進めていく必要がある」と強調した。
原水調整池は、2001年5月の白水ダム建設中止に伴い、代替施設として計画された。白水の水源地から取水した水を原水調整池5基(30万立法㍍)に流入・貯留することで、安定的な取水と供給を行うのが目的。2003~11年度までに総額158億円(国庫補助2分の1)を投入して5基を整備する計画を立て、2007年度に1号池を完成させたが、2号池以降については監視委から「多額の経費が必要となり、企業債の増発が後年度の財政運営を圧迫し、水道料金の改定に及ぼす影響が大」との指摘を受けていた。
その後、渇水に伴って2011年8月26~9月3日、2014年11月20~28日の2回にわたり、午後11時から翌午前6時まで給水停止を余儀なくされた。断水時間はそれぞれ63時間に及び、市民生活や商業施設の営業に影響を与えた。
水道部は今回の7次拡張事業で「事業費は莫大(ばくだい)であり、財源確保の影響から、当初予定の5池完成までには2035年度までの期間が必要と考えている」としている。
同事業では、調整池のほか老朽管路の更新・耐震化、南ぬ島石垣空港関連の新設管路の整備、老朽化した施設・機械・電気設備の更新などを行っていく。
03~16年度までの6次拡張で82億4500万円、17年度以降の拡張で179億5000万円の事業費を予定している。
監視委は、事業採択後5年を経過した時点で未着手か、10年を経過した時点で継続中の事業の妥当性を判断する組織。市役所内で開かれ、拡張事業の内容を審議した。委員から異論は出ず、19日に継続が妥当とする答申を行う予定だ。
審議に先立ち、我喜屋氏(市商工会長)のほか宮良正招氏(市自治公民館連絡協議会副会長)、辻野ヒロ子氏(市女性団体ネットワーク会議会長)、﨑山博之氏(沖縄海邦銀行八重山支店長)が中山義隆市長から委員に委嘱された。任期は2年。