現市長の中山義隆氏(46)=自民・公明推薦=、前市長の大浜長照氏(66)が争っている石垣市長選は2日、投開票される。中山氏が保守最大の課題となっている2期目の鬼門を突破できるか、大浜氏が返り咲きを果たすかが焦点。告示以降、両陣営の運動は日に日に熱を帯び、期日前に投票する有権者が増加している。運動最終日の1日もフル回転し、同日夕には打ち上げ式を行い、1週間の戦いを締めくくる。
【中山義隆陣営】
石垣の未来がかかる 打ち上げ式=午後6時から730交差点
今選挙で中山氏は「新空港で回復した経済の流れを止めてはいけない」と訴え、観光客100万人突破による経済波及効果などをPR。子育て支援や高齢者福祉にも数多く言及してきた。公約には「平和へのアプローチ」を真っ先に掲げている。
選対本部は自公の組織と若年層、各団体の支援を受けて選挙戦を展開。告示以降、島外から応援部隊も入り、2月28日には自民党環境部会長の片山さつき参議、公明党の秋野公造参議が街頭演説を行い、1日には自民党の山本一太・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策担当)もてこ入れする。
中山氏は2月28日夕、企業回りや自転車での遊説を行い、「休みなしで走り回っている。もうこれだけ」と話した。
JA八重山支店前で行った街頭演説では「明るい兆しが見えてきた流れを変えるわけにはいかない。この選挙に石垣の未来がかかっている。市民一人一人の人生がかかっている。私は全力で走り回る」と声を張り上げた。平和行政では「国際リゾート地として認められることで世界平和に貢献できる。これが、平和産業と言われるゆえんだ」と強調した。
中山選対は、1日午後6時から730交差点で市議補選候補の東内原とも子氏(57)とともに打ち上げ式を行う。
【大浜長照陣営】
石垣の命運がかかる 打ち上げ式=午後6時からJA前
今選挙で大浜氏は「市民が主人公の石垣市を取り戻したい」と訴え、「市民議会」を開催するとPR。新空港を活用した振興策、子育て支援、医療福祉にも数多く触れてきた。公約では「経済」を最優先にしている。
選対本部は「市民党」を標榜(ひょうぼう)し、従来の革新層のほか一部の保守層を巻き込んで戦ってきた。告示以降、島外から応援部隊も入り、街頭演説などで支持を訴えた。1日には稲嶺進名護市長、山本太郎参院議員、平良朝敬かりゆしグループCEOらが来島する。
大浜氏は2月28日、島内を駆け回り、「神出鬼没、自由自在に動き、あちこちで多くの市民と会って話を聞いた」と振り返り、「明日も徹底したどぶ板選挙だ」と話した。
旧石垣空港前の国道沿いで行った街頭演説では真っ先に旧空港跡地に移転新築される予定の県立八重山病院に言及、「元院長の経験と専門的な立場を生かし、市民の代表として県と連携して高度医療ができる病院にしていきたい」と決意。自衛隊配備問題に関連して「国境の島は、軍事的な緊張で平和をつくれない。市民の交流こそ平和を保障するものだ」と強調した。
大浜選対は1日午後6時からJA前で市議補選候補の崎枝純夫氏(58)とともに打ち上げ式を行う。