4月1日の消費税率8%への引き上げまであと1カ月と迫り、市内の自動車販売店では今年1月の新車の売り上げが前年同月比で約2倍となる店舗が多く、八重山でも増税前の駆け込み需要が顕著になっているようだ。納車が20台待ちとなるケースも。販売店からは「増税後の反動が怖い。客が来なくなるのではないか」という不安の声も上がっている。
市内真栄里の自動車販売店は「昨年の1月比で220%、2月も200%の売り上げを維持。店への来客も多くなり駆け込みを感じている」とホクホク顔だ。
しかし、車種によっては全国からメーカー側に注文が殺到し製造が追いつかないものも。販売店のなかには、納車が20台待ちの状況となり、待ちきれない購入者がキャンセルするなど“空振り”も起きている。
自動車購入時にかかる消費税は新車や中古車の登録日、または納車日の税率が適用される。このため、納車日が4月1日以降となった場合などには消費税率を8%として計算し直す必要がある。
担当者は「3月いっぱいの納車が間に合わない車種もある。メーカーごとに増税に対する補助はあるが長いときで半年待ちとなる。長すぎてしびれを切らし、キャンセルする客も出てきているので残念」と肩を落とす。
修理工場を兼ねた販売店担当者は「軽自動車は登録(届け出)の関係上、間に合うケースもあるが、客からの増税に関する問い合わせの対応に追われており、修理業務に集中できない。はっきり言って仕事どころではない」と嘆いた。
販売店のオーナーらは「増税後の4月以降は業界が冷え込んでくるとの見方が強いので今後の反動が怖い」と口をそろえる。