太陽光発電設備の導入が急速に増加する中、沖縄電力が20日から、八重山など離島における接続申し込みを保留していることが27日までに分かった。電力系統の規模が小さい離島地区の需給バランスを見極めるための措置で、同社では導入済みの太陽光発電の運用状況を確認して接続限界量を検討することにしており、検討結果が出るまでの間、接続申し込みを保留するとしている。だが、先行きの見えない状況に市内の太陽光パネル取扱業者などから不安の声が上がっている。
同社によると、沖電八重山支店管内の太陽光発電の接続件数は今年1月末現在で約830件、1日当たりの発電量は7500㌔㍗に達している。2012年7月の再生可能エネルギー固定価格買い取り制度の施行以来、太陽光発電を設置する家庭が急速に増加。需給バランスを保つため、接続限界量を検討することになった。
同社離島カンパニー離島事業部では太陽光発電設備の取扱業者に「離島における接続申し込みの回答については検討結果が出るまでの間、しばらく保留させてほしい。検討結果によっては接続できないこともあり、あらかじめ了承願いたい」との文書を20日付で送付した。
同社広報室によると、接続限界量の検討結果が分かる時期は未定で、申請を保留している件数は集計できていないが、「10件ほどの問い合わせに文書を送付した」という。
このため、市内で太陽光発電パネルを取り扱っている企業への影響は大きく、「太陽光発電の設置工事を依頼されても、接続できなければ契約不履行になりかねない」「電力会社はもっと早めに情報を提供すべきだ」と不安や憤りの声が上がっている。
経済産業省資源エネルギー庁によると、再生可能エネルギー固定買い取り価格制度では電力会社が再生可能エネルギーを買い取ることを義務づけているが、「明確な理由がある場合は(買い取り量を)制限できる」としており、電力会社の接続限界量の検討結果とその後の対応が待たれる。