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市長選、無投票は避けよ

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■告示まで3カ月切る

 任期満了に伴う石垣市長選は、来年2月23日告示、3月2日投開票で告示まで3カ月を切った。前回選挙で16年ぶりに市政奪還を果たした保守側は、現職の中山義隆氏(46)が再選を目指し、出馬はほぼ確実な見通しだが、与党内での調整不足もあって、いまだ正式な出馬表明には至っていない。

 これに対し野党・革新側も、3カ月を切った今なお候補者名すら挙げることができず、擁立は危機的状況だ。

 市議から初挑戦の前回、現職に過去最大の約5千票の大差をつけて当選した中山氏の1期目は、「持ち前の若さと明るさ、行動力で良くやっている」「タカ派的言動で石垣が急激に右傾化し、おかしくなった」と何かと物議をかもす玉津博克教育長の起用を含め当然与野党の評価はそれぞれ分かれる。

 

■無難な市政運営

 しかし、市民的に見れば、施政方針演説引用問題で出だしにミスはあったが以後は40代の“新米市長”とは思えない堂々とした対応で市政をこなし、さらにマニフェストも給食センター、食肉センター、火葬場などの新築に次々着手。まだまだ不十分な職員の意識改革やゴルフ場建設などに課題はあるものの、これといった大きな失政もなく無難に市政運営をしているといえる。

 特に待望の新空港では内外で開港イベントを次々展開、新空港効果は観光客が過去最大の90万人にも達しそうなかつてない活況になっている。

 さらに革新側が危うさを指摘するタカ派的言動も、最近は選挙を意識してか自衛隊の統合演習では、地対艦ミサイルの石垣配備を拒否するなどめっきり影を潜め、行き過ぎを懸念していた保守の支持者らをも安堵(あんど)させている。

 ただ再出馬に関しては与党との調整不足があって、一部与党議員と不協和音が表面化しており、挙党態勢をどう築くかが選挙戦を有利に戦う上でのカギだ。分裂選挙の可能性は薄いだろうが、野党・革新側が候補者を擁立できなければ、可能性は否定できない。

 

■革新側に長期政権のツケ

 こうした与党内の不協和音は野党・革新側にはチャンスのはずだが、逆に危機感が増している。前回の選挙で大敗し右傾化が進む中で、現職に対抗するには保守票も取り込める人材が必要だとして今春早々に選考委員会を立ち上げた。しかし人選は難航し今なお対抗馬を擁立できないのが現状だ。

 革新側にとっては本土復帰以降、桃原市政1期、内原市政4期、大浜市政4期の長期政権にあぐらをかき、人材育成を怠ってきたツケが今に露呈した。この結果、即戦力として大浜長照前市長(66)や選考委員長の高嶺善伸県議(63)が浮上しているが、いずれも否定的。そのため市長選では初の無投票の可能性も出て非常に危機的だ。

 最終的には選考責任者として自身の出馬が問われるであろう高嶺県議は「無投票にはさせない」と強調しているが同県議だけでなく、与野党ともに政治家としてぜひそうあってもらいたい。

 なぜなら無投票は選挙で民意を反映するという民主主義の根幹を否定し、有権者から投票権を奪って政治への関心を弱めるとともに、行政のマンネリ化や腐敗を生む要因となるからだ。


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