石垣市長選(23日告示、3月2日投開票)に立候補を予定している前市長で国頭村立東部へき地診療所長の大浜長照氏(66)は19日午後、後援会事務所で会見し、150項目のマニフェストを発表した。第一の柱に「いしがき経済」を掲げ、農・畜産立市宣言による輸送費の補助などを行うなど、各産業の振興を推進するとした。大浜氏は「新空港の開港による繁栄を住民が享受できるようにしたい」と述べた。
政策は▽いしがき経済▽やさしいいしがき▽やっぱりいしがき▽いしがき楽園▽いしがき島人▽いしがき市政—をキーワードに、各分野にわたる事業を列挙した。
10日に発表した主要政策以外に台湾出張所の設置、農・畜産立市宣言による産業の活性化、国営土地改良事業に伴う農家負担の軽減、中学生全員を対象にした給食費無料化、中学生までを対象とした医療費助成制度の拡充、市民議会の設置などを盛り込んだ。
農・畜産立市宣言について大浜氏は農業基盤整備などを理由に「立市できる時代がきた」と述べ、農林水産物の輸送費補助などを行う考えを示した。土地改良事業での農家負担軽減策については「市が肩代わりし、面整備の農家負担を1%にする。面整備が進めば表土の流出を防ぐことができ、生産力も高められる」と説明した。
市役所庁舎の建て替えについては「市庁舎の早期建設と災害(地震・津波)に強いまちづくり(高台でのまちづくり、公共施設建設等)を推進する」と記述。建て替え場所について大浜氏は▽現地で高層▽二カ所に分散▽高台に移転—の方法を挙げ、「住民意見を集約しなければならない」とした。
日中間で緊張状態が続く尖閣問題では「道理ある、冷静な話し合いによる解決を政府に求める」とし、「軍事衝突がおきないよう平和的に解決してもらいたい」と要望した。
台風時や雨天時などに利用できる観光資源の開発の必要性も記述、「地上型ではなく海中水族館にしたい。自然の生物を観察できる海中水族館こそ石垣市には必要だ」と強調した。
マニフェストについて大浜氏は「すべての事業について財源の裏付けをチェックしており、やれる自信をもっている。選挙向けの一時的なマニフェストではない。実行可能なマニフェストだ。財源の問題で順序があるが、市民本位の市政にすべく、何を優先するか見極めながら実行していきたい」と決意を語った。