【那覇】米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた仲井真弘多知事の埋め立て承認を検証する県議会の調査特別委員会(百条委員会、當間盛夫委員長)は19日、始まった。焦点となる仲井真知事への証人尋問は21日。24日には参考人として移設先の稲嶺進名護市長を招致する。
百条委はこの日、開会前に質疑順番をめぐって与野党が対立。野党が県の辺野古移設に関わる行政文書の提出不備を指摘するなどして紛糾し、午前中は開会できずに午後1時20分から始まった。
この日は環境影響評価(アセスメント)を担当した県の當間秀史環境生活部長の証人尋問を行った。
県環境生活部は昨年11月29日に県土木建築部に提出した意見で「申請書に示された環境保全策は不明な点があり、事業実施区域周辺の生活環境および自然環境の保全について懸念が払拭(ふっしょく)できない」と結論付けている。
これについて、野党委員は「意見提出後から12月26日の知事三役による承認決定までの間、土木建築部や知事三役から意見を聞かれたことはあるか」と質問、當間部長は「特にありません」と証言した。
野党は環境生活部の「懸念が払拭できない」という意見が存在するのに、知事は一度も説明を求めないまま承認手続きをとったことが明確になったと指摘した。
百条委は20日、當銘健一郎土木建築部長と山城毅農林水産部長を尋問する。24日は稲嶺市長と県環境影響評価審査会の宮城邦治会長(沖縄国際大学教授)を招致する。