夜、花が開き民家の庭先に漂う甘い香り。住環境の変化で少なくなったが、古き良き時代、石垣島の民家にはヤコウボク(夜香木)が咲き、ほのかな香りがあたり一面を包む生活があった▼自然を敬い、自然と人が共生し伝統文化が脈々と受け継がれている。ゆったりと時が流れ、いのちのしあわせを感じる暮らし「ぬちがふぅ(命果報)」。そんな石垣島の癒やしを香りで表現した香水「ぬちがふぅ 石垣島オードパルファム」が開発された▼石垣市商工会が資生堂アメニティグッズと協力、地域ブランド第1弾として商品化した。資生堂と開発に携わった商工会の石垣島フレグランス推進委員会(浦内由美子委員長、委員6人)は、約1年という期間で商品化にこぎつけた▼香水は南ぬ島石垣空港の開港1周年を記念して3月7日から発売される。商工会はちょっとしたおしゃれ、観光客には石垣島の思い出、旅立つ子どもには故郷の香りとしての販売をイメージ▼空港内に甘いほのかな香りが漂う。「この香りは何ですか」と注目されるようなアイデアも考えている▼資生堂は「世界にひとつだけの香りができた」と商品に自信をみせる。商工会は地域の活性化を目的に、せっけんや雑貨など第2弾の商品開発に意欲満々だ。石垣島発の地域ブランドの今後に注目したい。(鬚川修)
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