【那覇】県消防通信指令施設運営協議会(玉城則雄会長)は17日午後、八重山3市町も参加して2016年4月の運用開始を目指す「消防救急デジタル無線および(仮称)県消防共同指令センター」の概要を発表した。
消防救急デジタル無線は、浦添市と沖縄市を除く県内の28団体39市町村、消防共同指令センターには浦添市と沖縄市、那覇市、本部町、今帰仁村消防組合を除く26団体36市町村が参加。県内の119番通報を一括して受け付け、指示を出す同センターは、嘉手納町の比謝川行政事務組合ニライ消防本部に設置されることが決まっている。
職員配置は、共同整備で現在の通信員勤務者98人が30人程度になり、各消防本部から1~4人を派遣。同センターでシステム障害が発生した場合、各消防本部で119番通報体制がとれるようにする。
離島町村への効果では、緊急時119番通報することで関係機関への迅速な対応、通報者への適切な指導、助言が行われ、住民への安心、安全を提供できるとしている。
財政面では、県内25の消防無線施設をデジタル無線として共同整備することで17施設に縮小。費用は独自整備の49億円から32億円へと17億円の縮減が可能。また、県の6施設とのネットワーク回線を利用することでさらに費用を約6億円低減される。
一方、指令センターを個々で整備する場合の費用が44億円かかるのに対し、共同整備だと23億円で約21億円の財政が圧縮できる。
両事業の一体的な整備効果としては、費用の低減、大規模災害に強いネットワークの構築、職員の有効配置による現場体制の強化を挙げている。