石垣島天文台(宮地竹史台長)と、北海道名寄(なよろ)市のなよろ市立天文台(塩田昌彦台長)は16日午前、石垣市役所庁議室で、交流協定を締結した。運営に学術研究機関や自治体、市民団体が参画する天文台は全国で石垣市と名寄市のみで、「星まつり」を開催しているという共通点もあることから2年前から交流を模索していた。
両天文台は地域住民が天文学を楽しみながら科学する心を養うための相互交流や文化・産業・観光などの交流活動に取り組むことにしており、今後、具体的な事業を検討する。
調印式には、名寄市側からは加藤剛士市長、なよろ市立天文台の山田義弘名誉会長、塩田台長、天文台同好会「天斗夢視」の大谷秀二代表らが出席した。
中山義隆市長は「この縁を大切に星のまちづくり、教育学習などに役立つ交流ができればと思う」、加藤市長は「遠いからこそ協定に価値がある」とあいさつ。
宮地台長は「本州の梅雨の時期に一緒に観測ができる。突発的な現象にも両天文台で対応できる」、塩田台長は「北と南で見える星が違う。それぞれの星を見せることができる」と学術的な効果も期待した。
石垣島天文台は口径105㌢、なよろ市立天文台は口径160㌢の望遠鏡を備える。それぞれ「むりかぶし」「きたすばる」の愛称がついている。
【名寄市】稚内市の南方に位置する。石垣市との距離は2770㌔。年間の寒暖差は60度におよぶ。冬には空気中の水蒸気が凍ってダイヤモンドダストとなり、これが光に反射して起きるサンピラー(太陽柱)、ライトピラー(光柱)が見られる。もち米の生産量が日本一。