八重山教育事務所と3市町教育委員会はこのほど、昨年12月上旬に実施した本年度の県学力到達度調査の結果を公表した。調査は小学3、5年の国語と算数の2教科、中学2年の国語、数学、英語、理科、社会の5教科の合わせて9教科で行い、八重山地区全体では小学3年の国語と算数の2教科が県平均を上回ったものの、残り7教科は下回った。
中学2年の場合、県との差は昨年度と比較しても全教科で下回っており、八重山教育事務所の棚原広幸主任指導主事は「授業についていけず、理解が遅れている生徒への手だてが不十分な部分がある。個別対応などこまやかな指導が必要」としている。
同調査は基礎的な知識や技能を活用し、課題を解決するために必要な思考力の定着を図ることを目的に小学3、5年と中学2年を対象に実施。小学生は昨年度まで基礎力のA問題と応用力のB問題に分けて実施していたが、本年度は一括して行った。
3市町別では、竹富町が全教科で県平均を上回り、高水準を維持。与那国町が5教科、石垣市が1教科で県平均を上回った。特に与那国町の中学2年の英語は16・3ポイントと県平均を大幅に上回っており、町教委は「ジュニア語学留学派遣事業で求められる能力が原則英検3級以上となっており、その取り組みが奏功したのかもしれない」と分析。
市教委は「さまざまな取り組みを行っているが、なかなか結果に結びついていない。各校の校長のリーダーシップや、指導方法の工夫改善などが求められる」と話した。