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先島にラワン材大量漂着 沈没運搬船から流出

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沈没した木材運搬船から流出したラワン材。西表島野原海岸には27本の漂着が確認されている=4月7日(山口晴幸氏提供)

 石垣島の南西約110㌔の沖合でことし1月14日に沈没した木材運搬船(5007㌧、パナマ船籍)からラワン材が流出し、防衛大学校名誉教授・山口晴幸氏の調査によると、先島諸島7島25海岸で85本の漂着が確認され、先島全域に流れ着いている可能性が高いという。ラワン材は長さ約15㍍、直径50−60㌢の丸太。西表島の野原海岸には27本が折り重なるように打ち上げられている。ウミガメの繁殖に影響を与えるおそれがあるほか、台風で海上に流出した場合は旅客船や漁船が衝突する事故も懸念されるため、早めの撤去が求められそうだ。

 木材運搬船はパプアニューギニアから中国向けに航行していた際、荷崩れを起こして沈没。流出したラワン材は500本以上とされ、沈没船の船倉には約1000本が残っているという。

 山口氏がことし3月から4月にかけ、与那国島、波照間島、西表島、黒島、竹富島、石垣島、宮古島(池間島含む)の55海岸(総延長28・6㌔)で調査したところ、八重山では6島15海岸で69本、宮古島では5海岸で16本の漂着があった。

 山口氏は、海岸放置が長期化した場合、海岸の自然環境や船舶の安全航行に悪影響を及ぼすことが懸念されると指摘する。

 ウミガメを研究する黒島研究所(若月元樹所長)によると、八重山諸島での産卵のピークは6~8月。数が少なくなるが、10月まで続くという。

 若月所長は「アオウミガメやタイマイは海浜の奥で産卵する傾向があり、丸太があると移動したり、諦めて海に帰ってしまう可能性がある。海中で産卵すればふ化はしない。丸太はふ化したカメの障害にもなる。海にたどり着くのが遅れればカニに食べられてしまう可能性がある」と指摘する。

 県八重山土木事務所維持管理班によると、6月16日付で、荷主の中国企業から流出したラワン材の所有権を放棄するとの通知が保険会社を通じてあったため、海浜管理者が撤去することが可能となっている。

 同維持班は現在、撤去する海浜や撤去方法を検討しており、「航路、ウミガメの産卵に影響する危険な箇所を選択し、重点的に撤去することを考えている」としている。


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