高校生たちが国立天文台の施設を利用して観測研究を行う「美ら星研究体験隊」は5日、県立石垣青少年の家で成果を発表した。高校生たちは、3日から同日まで行った観測で、新発見の可能性がある天体三つを見つけた。今後は、国際天文学連合に成果を報告することにしており、天体が未発見だった場合に与えられる仮符号を得られれば新発見となる。さらに少なくとも4年間の観測を重ねて天体の軌道が確認できれば、命名権も与えられる。
新天体の発見を目的にした観測は、八重山高校を中心に県内外の生徒を含む17人が参加。4グループに分かれて、電波望遠鏡「VERA(ベラ)」と可視光観測の「むりかぶし望遠鏡」を使って観測を行い、5日の成果発表では、各グループが観測結果を写真や図で紹介。国立天文台など五つの研究所でつくる自然科学研究機構の小森彰夫機構長とも質疑を交わした。
新発見の可能性を持つ天体を観測した、むりかぶし班の前盛仁美さん(八重高2年)は「2年目の観測で、去年よりも良い成果だった。仮符号がもらえるかもしれない」と期待。松浦雅さん(同)は「もし名前が付くならば、八重山にちなんだ名前を話し合って決めたい」と話していた。
小森機構長は「一生懸命に観測して、新しい星を見つけた人、見つけられなかった人もいたが、非常に良い経験をしたと思う。どんな困難にも役に立つ経験なので、今後もぜひ頑張ってほしい」と激励した。
2005年から始まった同体験隊の活動は、ことしで11回目。4年前からは日本学術振興会の助成も受けている。