長年にわたり交通安全活動に従事し、90歳を過ぎても交差点に立ち続けた故・入迎里英能さんの遺志を受け継ぎ、長男の英和さん(68)と次男の英仁さん(63)が市交通安全推進協議会に交通安全防犯広報パトロール車を贈った。5日午後、市役所駐車場で贈呈式が行われた。
贈呈式で英和さんは、ことし3月に亡くなった父の思いに触れ、「車の販売、整備をしていた父は車に関わる交通事故に心を痛め、交通安全活動をライフワークとしてきた」と説明。「93歳で亡くなるまで、活動の場を与えて頂いたことに感謝し、兄弟で話し合い、車を贈ることに決めた」と贈呈の経緯を語った。
英仁さんは「この車が交通安全活動のために活躍してくれたら、亡き父も喜ぶと思う」と述べた。
中山義隆市長は「90歳を過ぎてもパトロールの出発式に参加して頂いたことを覚えている。安心、安全なまちづくりのために大いに活用したい」と話した。
八重山署の前田達史署長は「これを機に交通安全活動がさらに活発となり、事故が1件でも減ること願う」と期待を込めた。
英能さんは㈲ホンダ四輪大川モーターを経営する傍ら、1981年に八重山地区交通安全協会を理事に就任。同協会の会長や顧問、市交通安全推進協議会顧問を務めた。
ことし1月には警察庁長官・全日本交通安全協会長から交通栄誉の最高賞である「緑十字金章」を受賞している。