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ヤシガニ保護に理解を 条例制定で講演会

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絶滅の危機にあるヤシガニ

 3月までにヤシガニ保護条例を制定する予定の石垣市は11日、健康福祉センターで市民向けの講演会を開催した。(独)水産総合研究センター西海区水産研究所亜熱帯研究センターとの共催。ヤシガニが減少している現状を紹介し、資源を守りながら持続的に利用することを目的とした条例の制定に理解を求めた。ヤシガニを調査している八重山高校生物部は「ヤシガニは年々数が減っている。飼育が難しいうえ、成長が遅い。ヤシガニを守るためには保護が重要だ」と訴えた。

 生物部は金城 奈さん(3年)、山口夏海さん(同)、山田桜さん(同)、大城颯さん(2年)が2010年から市街地や北部で定点調査した結果を報告。「最も多く見つかるのは小型のヤシガニ。大きいサイズのヤシガニが次々といなくなり、今では小さなヤシガニでさえも狙われるまでになってしまったのではないか。私たちの子どもや孫、その先々の世代まで大型ヤシガニが食べられるよう願っている」と話した。

 条例の制定を訴えてきた同部は「今後も啓発活動を継続し、同じ方法で数十年にわたる研究を行い、サポートしていきたい」と約束した。

 センターの佐藤琢研究員は、ヤシガニの生態・繁殖・旬から利用を考えてもらおうと講演。成長が遅く、養殖向きではないとして「今ある資源を大切に使っていく資源管理が重要」として捕獲禁止の期間やサイズなど具体例を挙げ、市水産課の平良守弘水産課長が条例案の内容を紹介した。 

 条例案はメス、オスとも小型と大型の捕獲を禁止し、中型のみを利用するという内容で、ヤシガニの「旬」となる9~11月を捕獲を認める解禁期間に設定している。流通監視体制など独自のルールを盛り込んでいる。通年を捕獲禁止とする保護区も設定する予定。

 フロアからは「条例に抜け道がないよう実効性のあるものにしてほしい」「インターネットで売る人もいるので天然記念物にしてもらいたい」「保護区を設定すると、逆にそこに行って捕る人もいる。罰則を厳しくしてほしい」などの意見があった。


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