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終戦の8月に思うこと

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■8月は本土が鎮魂の月

 6月は日本で唯一の地上戦が終わった沖縄が鎮魂の月だが、8月は6日の広島、9日の長崎原爆忌に続いて15日が終戦の日となっているため、今月は日本列島が鎮魂の祈りに包まれる。しかし戦後71年間、憲法9条によって守られてきた日本の「平和」は安倍政権によって危険水域を超えつつある。

 ことしは5月に原爆を投下した国アメリカのオバマ大統領が初めて被爆地広島を訪れた歴史的な年でもある。あらためて私たちは核兵器のこと、原発のこと、戦争のことなど戦後築いてきた平和国家のあり方や歴史の教訓にきちんと思いを巡らし、今安倍政権の経済政策アベノミクスの陰で進む危うい国づくりに歯止めをかけるべきだ。

 辺野古新基地や高江のヘリパッドなど沖縄の反基地運動は沖縄戦が底流にあるのは周知の通りだ。その沖縄の民意を無視し続ける今の安倍政権の横暴がいつまでも許されるとは思えない。

 石垣市からはことしも広島、長崎の原爆忌に4人の小中高生のほか、一組の親子が参加する。300万人を超す犠牲者や周辺国に深い傷跡を残した戦争の愚かさを風化させてはならない。 

■パインは高嶺の花に?

 一方、今はまだ平和だからこそ日本の観光も、中国人の爆買いなど好調に推移し、トップシーズンの8月を沖縄は観光月間に設定している。3年前の新空港の開港以来好調な八重山もことし上半期は過去最高の60万人を突破、125万人の年間目標も達成の勢いだ。

 この好調な観光を今後も持続発展させるためにも、何かとリスクの多い石垣市への自衛隊配備をやめさせるべきだ。そして何より先日の市観光交流協会の視察でも指摘された人工ビーチなどの施設を早急に改善し、魅力ある観光地づくりこそ進めるべきだ。

 そして今月は6日から文字通り平和の祭典リオ五輪が始まる。そして11日は新たに祝日に制定された初の「山の日」。祝日は16日に増えこの日を挟んで3週間五輪放送で眠れぬ夜が続く。日本人選手らの活躍を楽しみたい。

 従来8月1日に設定されていた「パインの日」は、ことしから八重山は独自に旬の6月1日に改めた。遅ればせながら妥当な変更だ。

 中山市長はこれを機に「石垣牛」などのようにパインをブランド化し増産するとしているが、それは当然だ。

 一方で最近耳にする「ゆらてぃく市場のパインは一個1000円以上あるいは1500円以上もして高い」の声が気になる。おいしいものは当然高くても良いが、ただかつて200ー300円で食べられたパインが、ブランド化によって一般の人々に手の届かない「高嶺の花」になっては産地としていかがなものか。

■無投票は避けよ

 28日の投票まで1カ月を切った竹富町長選。現職の川満栄長氏が3期目の出馬表明したが、今なお対抗馬が決まっていない。議会で激しく町長と対立してきた野党側の候補者擁立は難航し、過去2回三つどもえの同選挙は、今回無投票の公算が大きくなっている。

 4年に一度しかない町民の選択の機会を奪う無投票は避けるべきだ。開票作業も、即日開票の時代になぜ竹富町はいつまで翌日開票なのか疑問だ。


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