旧石垣空港跡地でことし2月に着工した新県立八重山病院建設事業は2日現在、100億円の工事費ベースで11%の進捗率となっており、固い地盤の影響や作業員の不足により進捗率で1%、日数で2週間程度の遅れが出ている。おおむね順調だが、今後も人手不足が続いたり、不発弾発見に伴って工事が中断したりした場合は、2018年3月末までの開院時期がずれ込む可能性も出てくる。県病院事業局県立病院課の担当者らが2日、視察に訪れた県議会文教厚生委員会の狩俣信子委員長らに説明した。
新病院は敷地約4万平方㍍に、鉄筋コンクリート造り地上5階建て(延べ床面積2万3200平方㍍)を整備するもの。それぞれ現病院の1.6倍、1.4倍の広さになる。診療科目は、新たに歯科口腔外科が加わって24となる。病床数は302床。起工式はことし2月3日に行われた。
戦時中、旧海軍飛行場だった旧空港跡地には不発弾が多くあることが想定されたため、県は敷地内すべてで50㌢の表層磁気探査を実施した。現在は建設場所で表層下を探査しながら工事を進めている。これまでに不発弾9発が発見されており、今後もみつかる可能性がある。
工事は現在、基礎工事が行われているが、鉄筋工や型枠工が不足しているという。このため県は、本島で床の部分を造り、現地で組み立てる方策をとるなど、人手不足に対応する考え。これを実施すれば、遅れを取り戻すことができる見通しという。
県立病院課の大城久尚副参事は開院時期について「いまのところ厳しい状況だが、工期内に納めたい」と話した。
狩俣委員長は「不発弾や労働力などの課題があるが、一日も早い完成を待っている。不発弾については跡地全体で実施すべきだ」と記者団に語った。