14年ぶりかやぶきふき替え
【波照間】琉球王朝時代に人頭税を納める倉庫として建てられ、現在は航海安全と豊漁、豊作を祈願する節祭(シチ)の際に用いられている「イナサヒ」の屋根の修復が14年ぶりに行われた。かやぶき屋根の老朽化に伴い、ふき替えに必要な技術を持つ島民で修復実行委員会(大嶺高安委員長)を立ち上げ、13日から6日間をかけ、同小屋のかやぶき屋根を修復した。
屋根の材料となるカヤが波照間に自生していないため、石垣在波照間郷友会(島尻正矩会長)の協力を得て、13日に石垣市平久保でカヤを収穫し、14日に船で波照間に運搬した。
15日からは実行委員らが竹で組んだ屋根にカヤを敷き、ひもで固定する作業を行った。修復にはマーニの繊維で縄を編むなど、昔ながらの技術も活用された。
17日には波照間中学校の生徒らも見学に訪れ、カヤを運ぶなどの作業を手伝った。
生徒たちは「何十年後かに修復作業を行うことになるかもしれないので、覚えておきたい」と話した。(本比田里奈通信員)