八重山地方は6月下旬から雨の少ない日が続いており、石垣島製糖㈱(松林豊社長)はサトウキビへの影響を懸念、葉の黄変やロール現象の発生も予想されるとして散水を呼びかけている。
同社によると、現在は黄変が生じる手前の段階となっているが、生育旺盛期と重なっているため、被害の発生が憂慮される。
同社は梅雨明け以降、警戒を強め、緊急事態に対応するセーフティーネット事業の申請を決めた。かん水施設のないほ場では、農家負担が軽減される同事業の利用を促している。
松林社長は「干ばつ傾向が強い。まだ危機的にはないが、このままだとまずい状況になる。積極的に散水してほしい」、多宇弘充農務部長は「6月下旬から雨が降っていない。キビの生育を妨げないよう対応してほしい」とそれぞれ協力を求めた。
白保のキビ畑で作業をしていた50代の男性は「キビの伸びが悪く成長が遅れている。スプリンクラーがあるので大丈夫だとは思うが、ロール現象も起こるはず」と気にしていた。
同事業を活用したかん水の散水量は10㌃当たり24㌧が目安。散水ポンプを積んだダンプ(8㌧)によるかん水は1000円。申し込みは同社農務部(82―3872)か地域の原料委員まで。
石垣島地方気象台によると、6月16~29日の降水量は平年比で石垣島3%、西表島1%、与那国島12%と少雨傾向だったため、同月30日に農作物の水管理に注意するよう呼び掛けていた。7月1~14日までの降水量は平年比で石垣86%、西表89%、与那国151%となっている。