【那覇】先島地区で初めて県立八重山病院(依光たみ枝院長)にNICU(新生児集中治療室・3床)が設置されることが7日分かった。県は施設を整備したあと、小児科医を増員してできるだけ早い時期の開設を目指す。さらに4月からは、ICU(特定集中治療室)と一般病棟の中間に当たるHCU(高度治療室・4床)を初設置。看護師5人を配置して、救急医療体制の充実強化を図るとしている。
NICU設置に伴い、小児科医が現在の2人から4人増員されて6人体制となる。重症な新生児を、24時間対応の管理治療ができる医療体制の充実強化と、医師の負担軽減が期待される。
県は県立病院の救急体制の充実・強化などを目的に、県立病院事業局の定員数を医師38人、看護師42人、計80人増の2734人とする条例改正案を14日開会予定の2月県議会に上程する。NICUとHCU設置はこの定員増による措置。
八重山病院には、初めてICUの専任医師1人を配置。NICUは医師1人、看護師6人が配置され、高度な医療を行うことができる地域周産期母子医療センターの認定を目指す。定員増の目的の一つである経営改善では初めて検査科医師1人、感染管理認定看護師1人を配置して、質の高い医療を構築する。
県内でNICUがあるのは、県立中部病院と県立南部医療センター・こども医療センター、沖縄赤十字病院、琉球大学医学部付属病院、那覇市立病院の5施設。現在、八重山病院の小児科医は、午前0時以降は自宅など病院外で呼び出しに備え待機するオンコール体制で勤務。院内に常時配置するなどの基準が満たされていなかったが、今回の増員で解消される。NICUとHCUは、4月に県立宮古病院に設置されることも決まった。