貨物運賃改定に不満の声
波照間航路を運航している船会社が4月1日付で貨物運賃をこれまでの島民割引から沖縄総合事務局に届け出・公示している運賃に変更したことについて、同社の担当者は「新造船建造の計画もあり、このままの設定では3年後には赤字になる見通し。割り引きを続け、赤字になった場合、国や県の補助を受けられなくなる可能性がある」と述べ、運賃見直しに理解を求めた。
だが、貨物によっては運賃が3倍以上になり、利用者からは不満の声が上がっている。
波照間製糖が出荷する黒糖は、1ケース(30㌔)当たり島民割引の125円から約3倍の370円に改定され、差額は245円。年平均6万ケースを出荷する同製糖では年間約1500万円の運賃負担増となる。同製糖の金武清也取締役事業所長は「一気に負担が大きくなる。町側の補助など何とかしてもらいたい」と、行政に何らかの支援を求めた。
また、島内に住む40代女性は「電化製品や家具などは島で手に入らないものが多い。欠航の多い波照間航路では食料や日用品もまとめ買いするので、割り引きがなくなるのは困る」と述べ、島民割引の再開を切望した。
船会社では、計画している新造船の就航後に波照間航路が黒字化した際には、再度、割引運賃を検討することにしている。