沖縄が本土に復帰してから44年を迎えた15日、八重山地区の5・15平和行進に参加し、炎天下の白保小学校前から新栄公園までの道のりを歩いた▼人権回復を旗印に「沖縄を返せ!」の大合唱で復帰に託した県民の願いは核も基地もない平和な沖縄の実現だった。しかし政治は応えてくれず基地をほとんど自由使用の形で残したままの施政権返還だった▼さて、沖縄はこの間、どのように変化したのか。暮らしは良くなったか。自立的発展の道はどうか。そして何よりも米軍基地はどうなっているのか。今なお基地の重圧にあえぐ沖縄の現実は、復帰して44年後もそれほど変わっていないことを平和行進は象徴しているように思われる▼行進では日ごろの運動不足がたたって身体に苦痛を覚えたが、同僚の小学1年生になる男の子の大人顔負けの行進に元気をもらった。父親の手を握り時折みせた屈託のない笑顔にこの子らが大人になった時、果たして八重山は平和な島々だろうかと▼毎年、自前のプラカードを掲げ参加している先輩。車いすの参加者、若い親子などが思い思いに平和を願って歩いた。頭の下がる思いだ▼平和は誰から与えられるものではなく、一人一人の不断の努力によって成し遂げられるものであることを心に刻んだ復帰44年目の平和行進となった。(鬚川修)
↧