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Channel: 八重山毎日新聞社
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超高齢化社会を迎え、寝たきりや認知症になる…

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 超高齢化社会を迎え、寝たきりや認知症になる人の増加に伴い、介護に携わる人のニーズがますます重要になっている▼しかし現実はどうか。老人保健施設などでは入所者からいきなり理由もなくたたかれたり、権利意識が強い家族からは注文やクレームなどのほか心ない言葉が飛ぶ。夜勤を含む過酷な労働環境、低賃金などで職場を去る人が後を絶たず、大きな社会問題となっている▼介護職員の中には、人の命がかかった大切な仕事だという誇りと、お年寄りからの「ありがとう」の言葉が心の支えとなり、現実とのはざまで奮闘している人もいる。家族の協力が得られないと、介護職員が孤立する結果となり離職へとつながる▼国の推計によると2025年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、今のままでいくと全国で約38万人の介護職員不足が見込まれ、人材確保には処遇改善が急務となっている▼病んでいく親や祖父母を温かく見守りたいと思うのは人情だろう。世話をする人とされる人の孤独を共有するとは、やさしさを分かち持つことではあるまいか。人生の先輩たちにささやかないたわりを。中高年のご同輩には老後の予習ともなろう▼誰でも訪れる老年期は人生の“総決算”である。わが人生は幸せだったと言えるような介護に対する理解を深めたい。(鬚川修)


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