石垣市教育委員会は、8年前から省エネを目的に、各学校現場で節減した光熱水費のうちの一定額を学校に還元する「学校予算還元プログラム」に取り組んでいる▼同プログラムは「パチッと消灯、地球のウインク」をキャッチフレーズに2006年度からスタート。節減額の80〜60%が学校に還元されるため、各学校では、教室移動時など電気をこまめに消したり、水道の水を大切に使うなど、全校を挙げ節水・節電に取り組んできた▼このうち11年度は節減額1257万円のうち1057万円が還元され、学校現場では貴重な資金として、備品購入費などに充てている▼だが、近年、そのシステムが危ぶまれている。電子黒板の全校配布など、電気を使用する機器が増え、光熱費がかさむようになってきた反面、各学校の取り組みで節減効果が出た分、市教委の光熱費予算が減額され、本年度は、節減した学校に対し、還元する原資がないという皮肉な結果に▼同プログラムに取り組むことで、児童生徒の節減に対する意識は確実に高まったことだろう。これが学校だけにとどまらず、自宅や社会に出ての実践につながることを期待したい▼ただ、学校で子どもたちの節減への取り組みに張り合いが出るよう財政当局には予算面での配慮が必要だろう。(下野宏一)
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