石垣島北方海域に台湾漁船との共同利用水域が設けられた日台漁業取り決めをめぐり、マグロはえ縄漁がピークを迎える4~7月の間、4マイル(7.4㌔)の船間距離で操業するとの内容で日台漁業委員会が1月24日に合意した操業ルールについて、水産庁資源管理部の枝元真徹部長らが5日夕、八重山漁協(上原亀一組合長)を訪ね、マグロはえ縄漁業者らに説明したが、参加者から不満や反発の声が続出した。枝元部長らは、今期の操業実態を踏まえ、改善につなげていく意向を伝えた。
日台が合意した操業ルールは三角水域東側の一部海域で適用される。八重山漁協所属のはえ縄漁船が同海域で操業したい場合、操業開始の5日前までに漁協を通して蘇澳区漁会に連絡。これを受け台湾漁船は、日本側と同じように4マイル(7.4㌔)の船間距離を置いて操業するという内容だ。日本側の操業は、原則として1回の通報で1週間となる。
日本側が事前に通報したのに操業していないことを台湾漁船が確認した場合、台湾側は八重山漁協に連絡した上で船間距離1マイル(1.852㌔)で操業することができるようになっている。
説明会は非公開で行われ、県農林水産部の新里勝也水産課長によると、「ルールが適用される範囲が狭い」「5日後のことが分かるか。5日前の通報は机上の空論だ」との批判があった。一方、操業期間中は水産庁の取締船を配置し、ルールを徹底するよう要望する意見もあった。
通報期間について日本側は2日前を要求したが、台湾側は海域を空けるのに時間を要すると主張、5日前で合意した。一方、日台の漁協同士あるいは漁船同士の連絡体制はまだ確立されておらず、早急な構築が求められているという。
上原組合長は「連絡体制を早急に確立し、どれくらい利用する漁船があるかを調査したい。今回のルールは満足できるものではないが、次につながる一歩にしたい。こちらとしても可能な限り三角水域全域で操業ができるような取り組みを展開したい」と話した。