石垣市内の公立保育所の臨時職員16人が、待遇面や市が方針を示した公立保育所民営化などへの不満から前年度末で退職した▼市では新たに資格者4、5人を採用し、人手が不足する場合は管理職も現場に出るなどして急場をしのいでいるが、5月からの土曜日午後の保育開始を控え、保育士確保が急務だ▼保育士は国家資格。小さな子どもを預かり、家への持ち帰り仕事も多くハードだ。だが「子どもと遊んでいるだけ」と誤解されている面もあり、同じ専門職の幼稚園教諭や小学校の教諭などと比べ、賃金体系が大幅に低いのが現状だ▼保育士は、女の子の間では、常に将来なりたい職業の上位に顔を出す憧れの職業。だが、保育士資格を持ちながら、保育職に就いていない「潜在保育士」も多い。重労働の割に給与が低い実態が保育現場での就労に二の足を踏ませていることが予想される▼保育士不足を解消するため石垣市は県内外からの渡航費を助成し、保育士を募集。14年、15年度の2年間で、約30人が認可園などに配置され、一定の効果を上げている▼市は保育士の待遇改善に向け新年度から臨時職員の日給を7%(日額約500円)引き上げた。せっかく確保した保育士が定着するよう勤務実態と賃金を検証し、可能な限りの待遇改善が必要だろう。(下野宏一)
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