若いころに聴いていたフォークソングに触れると当時のさまざまな思い出が浮かんでくる。最近は2、3日前の出来事を思い出せないこともあるのに、あのころ歌った歌詞が3番まですらすら出てくるのに驚いてしまった▼4(フォー)月と9(ク)日の語呂合わせから9日は「フォークの日」。大川にある「すけあくろ」で「オジーたちのララバイ」と銘打ったフォークライブがあった▼石垣では2004年から愛好家たちが集い、毎年イベントを催しており、この日は市内で活動するグループ数組が出演。平均年齢は60?歳。老眼鏡をかけながらアットホームな雰囲気のなか青春時代を思い出すかのように歌声を響かせた▼1970年代初めの全盛期、若者のフォークソングが大きなうねりをみせ、ギターをかき鳴らし、社会の矛盾や反戦平和を訴えていた▼それに影響を受け、ブームを謳歌(おうか)した人たちが吉田拓郎や井上陽水、高田渡、かぐや姫など当時流行った名曲を歌ったほか、宮良信哉さんの現在の石垣市政やメディアを風刺したオリジナル曲も飛び出し、こんなフォークも今ではなくなったなと思わず70年代にタイムスリップ▼主催した池原興一さんらは「70歳までライブを続けたい」と意気込む。オジーからジージーになっても、いつまでも歌い続けてほしいと思う。(辻本順子)
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