次年度に農地散布も
学校給食の残りや浄化槽汚泥などをメタン発酵させ、発酵後にできる消化液を農作物の液肥として取り出す石垣市のメタン発酵試験用プラントは、昨年11月から本格的な試験運転を行っており、1日1㌧の液肥を取り出せるようになっている。市農政経済課によると、この間、液肥の分析を月3回実施、成分に一定量の窒素が含まれるなど、分析結果はおおむね良好という。次年度に液肥を肥料登録し、試験的に農地に散布していく予定だ。
メタン発酵試験は、焼却処理されている生ごみなどの有機物質を液肥として農地に還元する循環型社会の形成を目指す取り組み。2015年度から18年度までの事業を計画する。
プラントは1日当たり1㌧の原料を処理できる施設で、昨年3月に石垣市し尿処理場に整備。市は業者に委託して同年10月から試運転をしていた。石垣市給食センターの給食の残り、し尿処理場に持ち込まれる浄化槽汚泥、泡盛かすを混ぜ合わせてメタン発酵させている。
市は事業期間の18年度までに▽液肥の普及▽液肥散布の方法▽食品廃棄物の分別回収|などを検討し、本格的なメタン発酵施設の整備につなげていく考え。
液肥については定期的な成分分析を継続しつつ、肥料登録後は農地に散布し、作物の生育、収量、品質、土壌への影響などを従来の栽培方法と比較して調査する予定だ。
一方、メタン発酵で発生するガスについては現在、し尿処理場内の施設で燃やしており、今後、ガス発電機を導入できないかとどうか検討する。