赤土流出の少ないサトウキビの株出しを手伝うことを通して畑と海のつながりを考える「畑と海をつなぐサンゴのまつり」(主催・NPO法人石西礁湖サンゴ礁基金)が5日、崎枝地区で行われた。サンゴウイーク2016年のイベントとして初めて実施。崎枝公民館(石垣喜幸館長)が全面的に協力し、同公民館広場に飲食・販売などのブースを設けた。会場には200人余が訪れた。
株出しは、収穫した後の株から芽が出るのを待つ栽培方法。畑が裸地状態にならないことから、耕土の流出量が少ない。ただ、芽が出ない株があるため補植する必要がある。
参加者はこの日、傾斜地のために株出し栽培を行っている野里正吉さん(66)の畑約5000平方㍍で苗を補植する体験を行い、親子連れら約70人が参加。約1000本の苗を補植した後、堆肥をまいた。
池田良(りょう)さん(41)=登野城=は「子どもにサンゴをみせたり、キビ植えを体験させたりしたい」と家族で参加。長男の丞(たすく)君(平真小3年)は「この活動で赤土が流れないようになるとうれしい」。長女の杏(あん)さん(同1年)は「楽しい」と作業に大忙しだった。
道下正稀君(八重山農林高校グリーンライフ科2年)は「サトウキビの植え付けは実習でやっているが、株出しで赤土が流れないことをきょう学んだ」と勉強になった様子。
野里さんは「株出しだとすき込む必要がないので赤土が流れにくい。補植すれば毎年収穫できる。農家にはもっと関心を持ってもらいたい」と要望。同基金の入嵩西正治理事長は「海を豊かにするためには陸地を豊かにしなければならない」と協力を呼びかけた。