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今市議会の焦点、自衛隊配備

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■反対決議無視し強行の構え

 石垣市の3月議会が始まった。今議会の焦点は自衛隊配備問題であろう。誘致と中止を求める両請願が審議される。建設予定地に隣接する開南や近郊公民館が建設計画反対を決議した。しかし防衛省は「同島内の平得大俣の東側にある石垣市の市有地および周辺をはじめとする住民の理解と協力が得られるよう同市を含め関係自治体の意見を踏まえて情報提供に努める」(仲里利信衆議院議員への回答)と反対決議を無視し強行する構えを示している。

 沖縄防衛局は全住民を対象とした説明会開催を石垣市と調整していくという。南西諸島への自衛隊配備計画は自衛隊の空白地を埋めるためというが、背景には中国の海洋進出や尖閣諸島領有権問題がある。だが防衛省は仲里議員が自衛隊配備の理由である緊急事態や危険性については「趣旨が明確でないためお答えできません」と木で鼻をくくった回答をしている。

■石垣島でも戦闘の可能性

 共産党の赤嶺政賢衆議院議員の質問に真部政府参考人は石垣島に配備されるのは警備部隊、地対艦誘導弾部隊、地対空誘導弾部隊が主部隊であると答弁した。八重山防衛協力会の冊子によるとミサイル(誘導弾部隊)は配備されても発射訓練は八重山ではできない。国内の演習場が狭いためアメリカで行っていると記している。発射訓練や操作など専門的な技術を磨くならアメリカの方が条件は整っているはずだ。屋内射撃場も石垣市に設置する必要性はない。本土で十分に対応できる。

 ミサイルの射程圏内で真部参考人は地対艦100㌔以上といい、八重山防衛協力会冊子では約100㌔とある。魚釣島と石垣島の距離は170㌔である。尖閣有事の際、石垣島配備のミサイルは届かない。ともあれミサイルの射程範囲は八重山一円である。

となれば当然、石垣島での戦闘も想定される。日米合同の「離島奪還作戦」はそのためだ。訓練の模様はインターネット上で陸自広報ビデオが流れている。

 このような大規模な作戦が実施されれば、郡民に逃げ場などない。「国民保護計画」などで市民を守るというが「離島奪還作戦」を見る限り幻想でしかない。自衛隊配備は尖閣危機感をあおるこじつけでしかない。

■誘致派、水面下で活発に工作

 防衛省は「自衛隊部隊誘致に関し八重山防衛協会と適宜意見交換会を行っている」(糸数慶子参議院議員への回答)という。2月11、12の両日、秘密裏に部隊配置説明会を市議も関与して開催している。

 15日には開南有志の会主催の非公開説明会が山根寿一自衛隊沖縄地方協力本部長や森浩久沖縄防衛局企画部長らが出席し開催された。自衛隊と誘致派は水面下で活発な活動や工作を行っている。このままでは市民を対立させるだけである。石垣市への自衛隊配備の必要性は全くない。波風を立てるべきでない。

 市議会では八重山防衛協会や国防議員連盟に属している与党議員が多数を占める。市議の使命は「国防」ではない。「市民の生命財産を守る」ことである。市民の生存権にも関わる重大な問題であり拙速は許されない。中山市長は2013年、自衛隊統合演習の際、地対艦ミサイルの石垣島への機動展開計画についてPAC3とは違い、違和感がある。地対艦ミサイルは攻撃用と拒否した。市長発言の真価と政治家としての姿勢が問われる。


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