【与那国】数え97歳のカジマヤーを迎えた与那原光子さん(96)の長寿を祝うパレードが1日午後、祖納集落内で行われた。町内でカジマヤー祝いが行われるのは12年ぶり。風車で飾られたオープンカーに乗った与那原さんの長寿にあやかろうと、沿道には大勢の町民が集まり、与那原さんの手を取って祝福したり、花束を贈ったりした。
与那原さんは石垣市宮良出身。旧姓宇保。与那国に来たのは戦後間もないころのことで、左官業の与那原真吉さんと所帯を持った。
夫の真吉さんは67歳で死去したが、与那原さんは若いころは炎天下の工事現場で働いて子どもたちを育てあげるなど、働き者として知られる。80歳になっても民具づくりに用いるクバの葉を山へ取りに行っていたという、元気印を張りつけたようなおばあちゃんだ。
子供6人、孫20人、ひ孫18人に恵まれた。
パレードは集落内を巡る約2㌔のコースで行われ、与那国小学校児童の鼓笛隊が先導。町役場前通りでは車を止め、外間守吉町長が町づくりへの貢献をたたえて頌状を贈った。
パレードの日が誕生日となった与那原さんはカチャーシーのしぐさをして祝福に応え、沿道からは「百二十歳バギィン・ガンドゥ・キィワレー(百二十歳まで元気でね)」と声を掛けられると、手を振ってにこやかな表情をみせた。
出身地の宮良からも知人や親戚らが大勢駆け付け、孫らが棒踊りで景気を付けたほか、「めでたい節」の踊りなども披露した。
島ならでは祝福の光景をカメラに収めようと沿道に立つ観光客の姿も見られた。(田頭政英通信員)