きょうから3月だというのにマンゴーの開花が遅れている。街中で民家の庭先の木の開花がみられず、気をもんでいる人も多いだろう▼筆者の実家の庭で大木化したマンゴーの古木も開花の気配すらない。昨年は数十個の実を着け、収穫を楽しみにしていたが、台風ですべて落下。「ことしこそは」と期待していたが見事に裏切られそうだ▼通常、マンゴーの開花時期は、早い木で1月後半。例年、この時期には満開しているだけに、ことしは1カ月以上の遅れだ。原因は、昨年11月から続く、異常気象の影響だとみられているが定かではなく、30年以上マンゴーを栽培するベテラン農家も「これだけ遅れるのは初めて」という▼露地栽培で開花が望めそうにない中、ハウス栽培のマンゴーは開花の兆しがみえ始め、ほ場によりバラつきはありそうだが、3月中旬には最盛期を迎えそうだという▼心配される作柄は、開花遅れが影響し「不作」の見込みがある一方、「開花最盛期が寒気に当たらないので着果が良くなる」(農家)と、平年並みから「豊作」の見通しもある▼いずれにしてもマンゴーはパイナップルと並ぶ八重山を代表する夏の味覚だけに、作柄は気がかりなところだ。農家によると、開花は遅れても例年通り7月には収穫のピークを迎えるという。(下野宏一)
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