石垣市教育委員会は20日夕、真喜良小学校体育館で地域教育懇談会を開き、シンポジウムなどを通して行政、学校、家庭、地域の関係者が子どもたちの学力向上に向けたそれぞれの役割について意見を交わした。本年度の全国学力・学習状況調査の結果や、放課後のすき間の時間を利用して保護者などが児童生徒の学習を見守る地域・家庭教育支援事業の報告もあり、参加者が子どもたちの学力の実態を把握した。
シンポジウムでは、同事業を続けて3年目になる八島マリンズ女子バレーボール部監督の上地みかさん、石垣市青年団協議会役員の黒島美和さん、石垣市PTA連合会会長の東蔵盛充さん、新川小学校教諭の花城正憲さんの4人がシンポジスト、石垣第二中学校の﨑山晃校長がコーディネーターを務めた。
上地さんは同事業を継続してきたことで部員らに身に付いたことや成果を紹介し、「見守る大人が少ないとの理由でできていない団体もあり、少人数でもできる体制をつくれたらいいと思う」と指摘。
地域の伝統行事などで子どもたちと関わる機会のある黒島さんは「行事を通して文化や生きる力を学んでもらいたい。先生や自治会と協力し、公民館など地域で児童生徒が学習しやすい環境をつくるのも私たちにできることだと思う」と語った。
平真小PTAの副会長でもある東蔵盛さんは材木で机を作り、校内に設置して学習環境を充実させたことなどを紹介した。
昨年度に県の人事交流事業で秋田県に派遣された花城教諭は石垣市との違いに触れ、「話をしっかり聞けて、時間をうまく使える子どもを育てていくことが学力向上につながる」と強調した。
市社会教育委員の大濵民江さんは同事業の中で児童と保護者を対象に行ったアンケート結果を紹介。成果として「学習習慣の育成や学習と部活の両立など、事業の目的が達成されつつある」と述べる一方、「退職した先生方が教えてくれるともっと学習意欲が出ると思う」「部活動で区切ることなく、その他の子どもが集まれる学習館が必要」などの意見があったことを紹介した。