石垣市役所に近接する八重山署跡地2770平方㍍で、沖縄銀行が八重山支店の移転に向けた作業に入っていることが11日までに分かった。沖銀は2008年に石垣市から同地を購入して以降、着工を延期していたが、市港湾課が9日、同社に確認したところ、基本設計に向けた調整を行っているとの回答があった。市役所庁舎の旧空港跡地への建設決定で美崎町の再開発が課題となる中、金融機関の移転は明るい材料となりそうだ。
市との売買契約では、契約日から3年以内で建設工事を完了させることを条件としていたが、この間、市役所の庁舎建て替え問題が浮上、動向を見守っているとみられていたが、予定通り同地での支店建設に踏み切ることを決断したもようだ。
市は沖銀に売り渡す際、公共性を担保することを目的に▽市民も利用できる駐車場や会議室・集会場の整備|などを条件につけている。
沖銀は基本設計の中で、建物の配置などを検討していくとみられる。沖銀は現在、大川に八重山支店、新栄町に同支店石垣出張所を構えているが、いずれも駐車場などが手狭となっている。
市役所通り沿いの商業店舗で組織する、やいま大通り会の大城文博会長は「中心市街地に空き地があるのは良くない。長く有効利用されてなかったので良かった」と歓迎。「市役所移転後の跡地を含めた中心市街地は島の人も行き交う場所でないと活性化しない。市役所跡地を、観光客と地元の人が行き来できる場所にしなければならない」と話した。
美崎町自治公民館の石垣雅克さん(64)は「沖銀が美崎町に来ることはいいこと。ただ、糸満市では市役所が埋め立て地に移転した後、商店街がシャッター街になった。石垣市には、そうならないようにする責任がある」と指摘した。