10カ月余りにわたって常駐医師が不在となっていた町立黒島診療所について、竹富町は5日、医師が確保できる見通しになったことを明らかにした。公益社団法人地域医療振興協会(吉新通康理事長、東京)に同診療所の指定管理受託を要望し、4日に同協会の常任理事会で承認されたことによるもので、医師は4月1日に赴任する予定。黒島公民館の玉代勢肇館長(65)は「急患が発生した時には船やヘリコプターで搬送しなければならず、時間がかかってしまう。常駐医師がいればすぐに対応できるので島民も喜んでいる」と話している。
町健康づくり課によると、同診療所は昨年3月31日に常駐医師が退任した後、医師が確保できず、石垣市内から医師が週に1、2回往診して対応していた。
町では医師確保に向け、関係機関に協力を要請。1月29日に川満栄長町長が同協会を訪問し、「離島での医師確保が厳しい状況。協力をお願いしたい」と診療所の指定管理受託を求めた。
同課の佐加伊勲課長補佐は「常駐医師が確保できる見通しとなり、黒島の皆さんの不安も解消できる」と述べた。
黒島で民宿を営む40代男性は「観光客も訪れるので、島に医師がいるのはとても安心」と話した。