老朽化した石垣市役所の新庁舎を、どこで建て替えるのかを問う住民投票が7日に行われる。沖縄本島で暮らす郷友たちはふるさとの行く末を心配し、投票結果を注目している▼美崎町の現庁舎敷地での建て替えか、それとも高台の旧空港跡地への移転がよいのか、いずれか一つを選択する。これまでに双方の場所を推す団体が市当局に要請したり、新聞紙上などでも議論が交わされてきた▼1日にスタートした期日前投票で現庁舎を選択した40代の男性(大川)は「移転すると市役所周辺への影響が大きいと思う。防災対策も可能ではないか」と主張したという▼これに対し、旧空港跡地を選んだという90歳の女性(新川)は「子や孫の将来を考えると、津波の心配がない高台がよい」との考えを示している▼それぞれが理由を挙げての主張だが、ここで重要視すべきは東日本大震災の教訓から学んだ危機管理意識を持っての判断ではないだろうか。自然災害の恐ろしさを目の当たりにした経験から得た想定外と言わせない安全への飽くなき追求である▼新庁舎の建設場所は、大切な市民の命に関わる問題でもある。どの選択が後世に禍根を残さないのか。打算にとらわれずよくよく考え、石垣島の未来を担う子や孫たちの命の安全、安心を守るためにも大切な一票を行使してほしい。(鬚川修)
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