石垣市消防団(新垣能一団長)が27日夜、明石公民館で開いた「消防団の活動に関する地域説明会」で、明石地区に住む20代から30代の男性4人が入団の意志を固めた。1991年以来、23年ぶりの新団員となり北部地区の水難事故の捜索や火災の初期消火への迅速な対応に期待が掛かる。新垣団長は「地域を守るため今後の活躍に期待したい」と喜んだ。4人の入団で野底、大里、平久保を含む北部地区を管轄する第8分団は22人に、市消防団は86人(定数100人)となる。
説明会には市消防団と住民、公民館関係者10人が参加し、消防団の活動概要や訓練内容が説明された。
市消防団の高齢化が進んでいる状況を説明した長浜光則副団長は「若い新入団員の増加で積極的な活動を行い、活性化を図ってほしい」と訴え、吉川詞剛館長は「災害はいつ起こるか分からない。北部地域を守るために団員の存在は不可欠だ」と呼びかけた。
同地域では過去に、観光客の水難事故や野焼きによる原野火災、北側の平久保では2006年に住宅が1戸全焼する火災も発生。範囲が広い北部地区の団員増強が求められていた。
第8分団の辻輝明分団長は「団員間のコミュニケーションを密にし、訓練に取り組めばいざというときに役に立つ。北部地域は北部の人で守るという気持ちを持ってほしい」と話す。
入団を決めた伊波誠さん(36)=農業=は「説明を聞き、地域のために活動したいと決めた。まずは地域の消火栓の位置などを確認し、消防団で勉強したい」と意気込んだ。
眞榮城玄鉄さん(33)=農業=は「団員がとても少ないと新聞で知った。明石で育ってきたので地域に協力し貢献したい。団員として家族や周囲の人々を助けたい」と話した。
新垣団長は「北部の若者が地域災害の減災に貢献できることに期待。今後は白保や宮良地区への増員に取り組みたい」と安堵(あんど)の表情をみせた。
市消防本部の大工嘉広消防長は「増員は非常にありがたい。地域のリーダーとしても今後の活躍に期待したい」と喜んだ。