西表島干立の県道白浜南風見線で、国の特別天然記念物イリオモテヤマネコの幼獣の死体を発見したとの連絡が25日、観光客から西表野生生物保護センターにあった。同センターが翌日、死体を回収し、交通事故死と判断した。ヤマネコの交通事故は過去最多の6件発生した昨年に続き、今年も1月に入ってすでに2件発生しており、同センターは「異常事態」としてドライバーに注意を促している。
同センターによると、22日午後8時ごろ、車を運転中の観光客が車両にひかれた直後とみられる死体を発見。道路脇に移動させ、翌日の夜にセンターを訪ねたが、不在だったため連絡が遅れたという。
センター(0980―85―5581)は24時間いつでも対応できる態勢を取っており、ヤマネコを目撃したり、発見したりした場合は至急、連絡するよう呼びかけている。
事故死したヤマネコは体重1620㌘、体長44㌢で、生後3カ月程度。下あごが二つに割れ、乳歯も折れていた。口から大量に出血した跡もあり、路上には血痕が残っていた。胃には、事故前に食べたと思われるものが詰まっていたという。死体は、死因を究明するため鹿児島大学農学部獣医学科に搬送される予定。
竹富町が22日、事故発生場所の真横に移動式の注意喚起看板を設置したばかり。翌日にパトロールを実施していた。町は27日、行政無線で非常事態宣言中であることを住民に伝え、パトロールをしていくことにしている。
センターは「特に夜間は十分周囲に注意し、ヤマネコの急な飛び出しがあっても、事故を避けることができくらいまで減速して運転してほしい」と話している。