葬祭簡素化は、農村集落では定着しつつあり、気軽に聞ける御香料の目安、お返し廃止などは郡外から移住してきた皆さんにも了解され受け入れられてきたようだ▼一方、告別式の持ち方では「葬儀が始まると、遅れてきた会葬者が身内の焼香から代表焼香が終わるまで待たされるのはなぜなの」とのとまどいを聞く▼尋ねてみたら本島の告別式のお知らせ時刻は、一般焼香の始まりを意味するらしく会葬者は、到着順に焼香台前に整列していて、告別式は時間になると喪主のお礼のあいさつで始まり、結ぶと参列者は順々に焼香を済ませ斎場を後にするという▼ということは、お知らせ時刻までに親族焼香や代表焼香、弔電報告など葬儀のほとんどは故人のごく近しい人たちだけで先に済ませ、謝辞のみを行う告別式に臨むという▼この方法だと案内された時間内に出かけて焼香に臨めるので忙しい現代人は助かる。最近はやりの住職入退場の際の合掌礼拝の気恥ずかしさも味わなくて済む。延々と読み上げられる似た文言の弔電報告にも耐えなくてすむ▼ただ勘違いしないで。島の習いが駄目ということではない。都合で謝辞まで残れない方や焼香せずに帰ってしまう少なくない会葬者のための告別式次第が新火葬場開場を契機にそろそろ出てきてもいいなとの話。(仲間清隆)
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