八重山地区障がい者等歯科治療推進協議会が23日、医療機関や行政、福祉施設の職員ら14人で設立。同日午後、八重山合同庁舎3階会議室で第1回会議を開き、八重山病院で障がい者などが受診可能な歯科口腔(こうくう)外科の早急な開設を求める意見書を採決した。近く、沖縄県病院事業局長へ提出する。会長には八重山福祉保健所の東朝幸所長が選出された。
同協議会は、八重山地区の障がい者等に対し、必要な歯科治療が地域で受けられる「地域完結型」の体制を構築するのが目的。
この日の会議では、障がい者歯科に関する課題や歯科治療、ケア体制などについて意見が交わされた。
八重山管内の障がい者(成人)の歯科検診結果について同保健所は「歯磨き状況が悪く、要治療者が多い。若い世代の喪失歯が多く、必要な治療を行わず、歯を失う人が多い」と報告した。
八重山では現在、市内に5カ所の県障がい者歯科地域登録医院があるが、出席した委員から「既存の歯科医院に障がいを持つ人々の来院が増えると、処置に医師が追いつかない。治療方法にも限界があるので口腔外科の新設が望ましい」との意見が出た。
このほか、八重山病院の歯科口腔外科設置に関するアンケートで、回答者の9割が同科を必要としていることも報告された。
出席した県立八重山病院の大嵩純道事務部長は「科を新設しても地域のバックアップがないと継続的に維持できない。新病院の基本計画のなかで議論したい」と説明。東会長は「八重山病院に歯科口腔外科の開設に向けた課題はたくさんあるが、協議会として意見書を提出し、治療とケアの充実を強く求めたい。今後も問題解消に向けて議論を重ねたい」と話した。