発症すると下痢や嘔吐(おうと)などを引き起こすノロウイルスが日本各地で猛威を振るっている▼静岡県浜松市では給食に出された食パンを感染源として、小学校15校で児童や教職員の集団感染が発生。1000人近い児童が下痢や嘔吐の症状を訴え学校を欠席。学校閉鎖を余儀なくされた▼このほかにも全国各地の飲食店や宿泊施設などで集団感染が報告され、京都市伏見区の総合病院では院内での集団感染で高齢者4人が死亡する事態にまで至っている▼過去に八重山でも石垣市内の中学校の生徒が修学旅行先で集団感染したケースがある。また、昨年8月には八重山病院で入院患者らの集団感染が発生。幸い、いずれも重症化には至らなかったが、いつ、どこで感染するか分からない▼ノロウイルスは、感染者の嘔吐物や便からの飛沫(ひまつ)感染が主。ウイルスは目に見えず、感染力が強い。しかも、感染者は発症しなくても一週間程度、ウイルスを出し続けるようで、完全に防ぐのは至難の業だ▼八重山福祉保健所によると、一番の予防は手洗い。流水とせっけんで手首までしっかり手を洗うことが大切。万一、発症した場合は、徹底した殺菌消毒が必要だ。郡内ではインフルエンザの警報も発令された。流行を予防するためにもまず、手洗いだ。(下野宏一)
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