昨年4月10日の日台漁業取り決めで設定された共同利用水域(法令適用除外水域)をめぐり、日台は23日から2日間、台北市内で第3回日台漁業委員会を開き、マグロはえ縄漁の操業ルールについて話し合う。4月から本マグロ漁が本格化することから、水産庁は「周知期間を考えると、今回の会合がギリギリの機会」としており、地元漁業者の操業を確保するルールづくりができるかどうか、交渉の成り行きが注目される。
石垣島北方に拡大して設定された三角水域は地元マグロはえ縄漁船の漁場となっているが、昨年4月10日の日台漁業取り決めで日台両方の漁船が操業できるようになって以降、台湾漁船に占有される状態が続いている。
台湾漁船が1マイル(1.852㌔)間隔で操業しているため、地元マグロはえ縄漁船が入り込む隙間がないためだ。地元漁業者によると、同海域で操業すれば漁具被害などのトラブルは避けられないという。このため、南方での操業を余儀なくされている。
東京で昨年12月26日に開かれた前回交渉で日本側は、漁船の間隔を4マイル(約7.4㌔)とする案を提示したが、合意には至っておらず、今回の交渉でこれに代わる案を提示するとみられる。詳細は明らかになっていないが、操業区域を分けるか、操業時期をずらすなどの案が検討されてきたようだ。
八重山漁協会議室で10日、地元漁業者とルール案について意見交換した水産庁資源管理部の枝元真徹部長は「3、4月がデッドライン。できるだけ早く解決したい」と話していた。
交渉は21—22日に漁業者間会合など、23|24日に第3回日台漁業委員会を予定。日本側からは交流協会、水産庁、外務省、漁業者ら約35人が出席し、八重山からは八重山漁協の上原亀一組合長、マグロはえ縄漁業者を代表して仲田吉一さんが参加する。
上原組合長は「今回で何とかまとめたい。最低限、三角水域の範囲で日本の漁業者が操業できる環境にしたい。これは譲れない」と話している。