児童虐待防止講演会「思春期の子どもとは、解決志向でうまくいく!」(沖縄県主催)が19日午後、石垣市健康福祉センターで開かれた。NPO法人おきなわCAPセンター代表理事の長田清氏(長田クリニック院長)が講師を務め、「子どもは注意してもすぐ忘れるが、ほめられたことは一生忘れない。注意1秒ほめ一生の心構えが大切」と強調した。
長田氏は、日米の10代女性について日本では「自分はモデルみたいに細くないし、きれいじゃない」と否定的にとらえているのに対し、アメリカでは「私はモデルじゃないし、太っていたってそれこそ私の個性」と肯定的にとらえていると紹介、自尊心を育むためには自分のことをどれだけ好きになれるかが重要であると説明した。
日本で自尊心が育ちにくいことについて「問題を直そうとするあまり、欠点ばかり注意する」「悪いことを改めさせようと必死になり、ほめることを忘れる」「ほめてもすぐにしかるから効果がない」と指摘、その結果として「子どもが自分の感情よりも親の感情や価値観を優先させてしまうようになる」と話した。
長田氏は「怒ること、注意することはコミュニケーションの一つだが、上手に伝えるテクニックが必要。注意することは短く、ほめることを何倍にもすることで子どもの自尊心を育て、長所を伸ばしていける」とアドバイスした。
講演には、保護者や教師ら子どもに関わる人たち170人余が参加。グループに分かれて、自身のラッキーな体験や思いがけなく助かったことなどを話し合うワークショップも。
長田氏は「楽しいことを話し合うと自然とテンションが上がり、盛り上がる。コミュニケーションをよくするテクニックとしても使える」と述べた。