先の第37回沖縄県中学校駅伝競走大会の大浜中学校男子の優勝は、同校関係者のみならず全郡民が祝福したことだろう。八重山勢初の快挙だ▼同校は、30日に鹿児島県で開かれる九州大会、12月15日に山口県で開催される全国大会へと立て続けに出場する。選手はしっかり体調を管理し、各大会でベストパフォーマンスをみせてほしい▼祝杯の裏側で戦々恐々としているのは、保護者であり、学校関係者だろう。1カ月足らずの短期間で選手の派遣費捻出という大仕事がまっているのだ▼学校関係者によると派遣費は1人当たり30万円弱。保護者の負担を少しでも軽くするため、幅広く募金活動が展開されている。選手を激励し、存分に実力を発揮させるためにも多くの市民、郡民が協力してほしいものだ▼市教育委員会では県外派遣に対し、規定で一大会1人当たり航空運賃の半額もしくは1万円を交付する。一括交付金を活用し、以前よりも金額を引き上げたというが、宿泊費を含めた大部分を公費負担し、児童生徒の活躍を手厚く支援している竹富町や与那国町と比べると、物足りなさを感じる▼せめて出場機会が少なく、旅費がかさむ県外派遣だけでも支援を厚くできないものだろうか。そのための基金を設け、郡内外から広く支援を仰ぐのも一つの手だ。(下野宏一)
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