台湾人入植者描いた映画
台湾から石垣島に入植し、八重山のパイン産業の礎を築いた台湾人入植者の苦難の歴史を描いたドキュメンタリー映画「はるかなるオンライ山」(本郷義明監督)の上映会と、1960年代前半に石垣島でパイン工場の工場長を務めた中田俊さん(87)が、当時の工場や島の様子を撮影した写真展が16日夕石垣市民会館大ホールで開かれた。
オープニングセレモニーでは、石垣混声合唱団が「台湾楽しや」「オンライ山」を合唱し、中田さんと映画の原案を手がけたジャーナリストの三木健さん(75)、中山義隆市長がテープカットした。
三木さんは「パインがどのようにして石垣島に渡ってきたのか知らない人も多いと思う。台湾人入植者と地域住民の間でのあつれきや、戦後の最盛期には八重山にパイン工場が10カ所もあったことなどを知ってほしい」とあいさつ。
中田さんは15日、勤務していたパイン工場の跡地に足を運んでおり、約50年前に撮影した写真が石垣市で展示されたことについて「感無量。当時、私を温かく迎えてくれた島の人たちへの感謝の気持ちでいっぱい」と述べた。
写真展では、60年代前半のパイン工場の作業やまちの風景など50点以上を展示。訪れた市民の中には「懐かしいね」「自分もパイン工場で働いたことがあるよ」などと思い出話に花を咲かせる人もいた。