肉用牛の2014年初セリが11日、黒島家畜市場と八重山家畜市場で開かれ、両市場ともご祝儀相場が付くなど活況を呈した。両市場ではこの日、計551頭が取引され、取引総額は2億6147万円。子牛の平均価格は八重山が49万9345円、黒島が49万4679円で、史上最高値を付けた前回のセリからわずかに値を下げたものの、前年の初セリに比べ八重山が約8万6000円(20.9%)、黒島は約9万8000円(24.9%)上回った。
両会場では、初セリに先立ちセレモニーが行われ、JAおきなわの砂川博紀理事長が「セリ市場の情報伝達提供システムで全国に沖縄ブランドを発信しており、今後とも鋭意、県の畜産振興に取り組んでいきたい」とあいさつ。
同日午前の黒島市場では川満栄長竹富町長が「昨年11月のセリでは子牛の平均価格が50万円を超える史上最高値で取引され、黒島のみならず町全体で喜んでいる。今年も高値取引でスタートすることを期待する」、同日午後の八重山市場では中山義隆石垣市長が「全国的に肉用牛が減少している中、優良母牛更新事業で安定した肉用牛の供給が図れると考えている。安心して購入してもらえるように防疫体制の強化にも鋭意取り組みたい」と祝辞を述べた。
酒と塩で会場を清めた後、両会場ともに行政やJAの代表者らが農家に代わって牛の手綱を引いて初セリがスタート。いずれもご祝儀相場で50〜70万円台の高値が連続。値が上がるたびに拍手がわき起こり、幸先のよいスタートとなった。
初セリの実績は八重山が取引頭数388頭、取引総額約1億8460万円、子牛の平均価格は49万9345円。最高価格は雄(去勢)が74万9700円、雌が59万5350円。
黒島では取引頭数163頭、取引総額約7687万円、子牛の平均価格は49万4679円。最高価格は雄(去勢)が73万6050円、雌が52万6050円だった。
黒島で子牛と成牛合わせて15頭をセリに出した玉代勢元さん(37)は「前回よりセリ値が下がったが全体的に良かった。この価格を維持してくれれば助かる。値が良いうちに母牛の改良を進めたい」と話した。
また、八重山の和牛繁殖農家でつくる八重山郷里素牛生産者グループリーダーの東竹西信行さんは「活気ある初セリとなったことに感謝している。購買者の後押し、期待に応えられるよう、信頼される子牛づくりに努めたい」と話した。