与那国島への陸上自衛隊沿岸監視部隊配備に向け、沖縄防衛局は第4四半期(1~3月)で久部良に建設を予定している宿舎の測量や土質調査、建築・土木・設備設計など、新たに6件の発注を計画している。同地区の町有地を借地使用している農業生産法人㈲南牧場の大嵩長史代表取締役は「補償に関してもまだ交渉中だが、周囲で建設が進めば自分たちがいくら反対しても押し切られかねない」と、危機感を表した。防衛局では年度内の用地取得を目指しており、配備計画が急ピッチで進みそうだ。
沖縄防衛局では、昨年12月に駐屯地の施設新設に伴う建設設計業務など7件を発注。現在は敷地造成工事や橋の新設工事の一般競争入札の手続きを進めるなど、着々と部隊配備計画が進行している。
与那国防衛協会の金城信浩会長は「一日も早く配備してもらいたい。そのためにも工事がスムーズに行えるよう、町にも協力を呼びかけていきたい」と述べた。
防衛局と町は昨年6月、年間賃貸料1500万円で、配備が予定されている町有地を賃貸する仮契約を結んだが、配備予定地の南牧場は現在、㈲南牧場が町から賃借しており、本契約を結ぶ条件として同牧場への賃貸契約解除と「防衛省が関係者と協議し、所有物件なども補償すること」を明記している。
配備計画では、本年度中に用地を取得し、2014年度以降に敷地造成、工事を実施する方針。
敷地面積は久部良の駐屯地・監視所が約25㌶、祖納の監視所が約1㌶の計約26㌶。
久部良の駐屯地・監視所では、2階建ての庁舎(延べ床面積・約2000平方㍍)や隊舎(約3000平方㍍)、局舎(約600平方㍍)、訓練施設(約500平方㍍)、全天候型400㍍トラックのグラウンド、空自レーダーパット1基などの整備が計画されている。